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小倉北区魚町に本店を構える「湖月堂」は今年創業131年目を迎えた。代表取締役社長の本村伸子さんは「特別なことをしてきたわけではありません。ただおいしいお菓子を誠実に作り続けてきた、その積み重ねです」と語る。
その言葉を裏付けるのが職人たちの存在だ。同店では65年以上勤める職人をはじめ、50年近く現場に立ち続ける人も珍しくない。長い年月で培われた技術と感覚が日々のお菓子作りに息づいている。素材と真摯に向き合い手間を惜しまない姿勢が、味と信頼を支えてきた。
その象徴が「自家製あん」。原料の豆の選定から炊き上げまでを自社で行い、菓子ごとに炊き方を変えるという細やかな仕事を重ねている。効率よりも品質を重んじる製法は全国的にも珍しく、同店の強みになっている。
看板商品は、創業当初から作り続けている「栗饅頭」。小ぶりで愛らしい形とやさしい甘さが特長で小倉の定番土産として世代を超えて親しまれている。ほかにも「一つ栗」や「ぎおん太鼓」など長年支持されてきた商品が並び、現在のラインナップは数十種類に及ぶ。
一方で時代に合わせた挑戦も続けてきた。約20年前には洋菓子部門を立ち上げ「ラトリエ・ドゥ・アカレンガ」を展開。本店併設の「喫茶去」では和菓子に加え食事やデザートも提供し、近年では「絲モンブラン」「和のアフタヌーンティー」など新たな魅力作りに取り組んでいる。 「守るべきものは守りながら、時代やお客さまに合わせて変えていく。『地元の銘菓』として、手土産などに選ばれる存在であり続けたいです」
と本村さん。
これからも湖月堂は日常から人生の節目まで、人々の暮らしに寄り添うお菓子作りを続けていく。
(2026年5月号掲載)
魚町に本店を構える「湖月堂」
創業当初から愛され続ける「栗饅頭」

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